【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―



「お前が殺した理由は、何だ?」


「……理由?」


「殺した理由。あるだろう」


「あるわよ?―簡単な話。身の程もわきまえず、彼女達が貴方の本当の妃となることを望んだから!貴方にはもう、皇后がいたのにっ!皇后を陥れてでも、栄貴妃を陥れてでも、あの女達は自分の未来を夢見てた!だから、それを断ち切ってあげただけ!!」


「……」


「それに、私が殺したって言うけどね、私は何もしていなくてよ!彼女たちが自ら選んで、自ら、命を終えただけ。それだけの事!」


そうよ。たった、それだけ!!


私は機会を与えただけ!


私は悪くない!


あの人たちが、勝手に判断したことだもの!!


「―そうやって、逃げてきたのか」


「っ!」


「表貴人をはじめとした、私の妃を殺しておいて―……」


「何よ!貴方、翠蓮はともかく、彼女達の顔を覚えていたとでも言うの!?"皇帝”は、いつもそう!本当に愛した人間の顔しか、覚えていない!貴方だって、そうじゃないの!?そうなんでしょう!?先帝は、姉様の顔を覚えてくれてなかった!それどころか、名前すら―……っ!!!じゃあ、何で、私から姉様を奪ったの!姉様が死ななくちゃならなかった理由って、何処にあるのよ!!」


皇帝の目は、冷たかった。


どうして?


どうして??


私が悪いの?何をしたと言うの?


私はただ、ただ、あの人の―……姉様の―……翠蓮の為に!


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