『One more Love♡』
「璃桜,ホットミルク飲む?もう,熱くないから飲みやすい温さだよ」
「のむの~」

璃桜くんは,慎さんからマグカップを受け取ると,『コクコク』っとホットミルクを飲み干す。

「あ…じぇんぶのんじゃった…」
「いいのよ。さ,そろそろ寝る準備」
「うん」

璃桜くんは,慎さんに言われて『トテトテ』っと走ってトイレに行った後,歯磨きをしに行った。

「パパーおしあげ…」

そう言って歯ブラシを持って戻ってくると,慎さんは璃桜くんを自分の膝の上に寝かせ,璃桜くんの歯を磨く。

「はい,お終い。うがいしておいで」
「うん」

璃桜くんは,慎さんに言われた通り,うがいをしに行き,顔もしっかり洗って戻ってくる。

「さ。璃桜,ベッドに行くわよ」

慎さんが璃桜くんの背中を押して,ベッドへ行こうとした時,

「ココたんとパパとボクの3にんでねりゅのー!!」
「あ…そう言えば…3人で…って言ってたわね」

慎さんは,あたしの顔を見る。

「そうでしたね。昼間に約束してましたね」

慎さんと目で会話するかの様に頷き,2人の傍に行き,璃桜くんの部屋ではなく,慎さんの部屋へと向かった。




慎さんの部屋に入ると,大きなベッドがあった。

「ボク真ん中で,パパはこっちね。ココたんは,こっち」

あたしと慎さんは,璃桜くんに言われるがままにベッドに入る。

「パパ,ココたんおやちゅみ」
「「おやすみ」」
あたしは,璃桜くんのお腹を『ポンポン』っとすると,慎さんも同じ様に『ポンポン』っとする。
璃桜くんは,一瞬驚いた様な顔を見せたが,嬉しそうな顔をして,眠りについた。

《ココちゃん,ありがとね》
《いえ。璃桜くん,起きたりしませんか?》
《んー…どうかしらねぇ…ぐっすり眠ってくれると思うけど…心配?》

あたしは,慎さんにそう聞かれ,『コクン』と正直に頷いた。

《昼間の事があるので…心配です》
《そっかぁ…確かに,昼間泣いてたわね…》

あたしが璃桜くんの様子を見てると,慎さんはしばらく何かを考え込む仕草をし,話し掛けてくる。

《ココちゃんさえ良ければ,ここで3人でホントに寝る?》
《えっ?》
《はじめは,添い寝だけのつもりにしてたの。璃桜が寝たら,離れても大丈夫かな…って思って…。》
《なるほど…》
《でも,ココちゃんの言ってる事も分かるから…どうする?》

あたしは,少し悩んだ末,

《慎さんは,あたしがここで寝ても迷惑じゃないですか?》
《えっ,迷惑??どうしてそうなるの?迷惑だなんて思わないわよ》

慎さんが微笑みながらそう言う。

《ありがとうございます》

あたしは,そう一言言うと,再び璃桜くんのお腹を軽く『ポンポン』と安心させる様にして,その日はそのまま
3人で仲良くいつの間にか眠ってしまった
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