夢原夫婦のヒミツ
出した答えが意外だったのか、佐介は目を丸くさせた。

「好きになる？　嫌いになるじゃなくて？」

信じられないと言うように私を見つめる彼に、首を縦に振った。

「うん。そんなに私のことを想ってくれているんだって嬉しくなるし、それに完璧だと思っていた大和さんにも、そういう意外な一面があるんだと思うと、可愛いなって思う」

「可愛い？」

ますます理解できないというように、佐介は顔をしかめる。

「だって大人で仕事に一生懸命で優しい大和さんが、実は恋愛面ではヘタレだったなんて、新たな魅力だと思わない？」

「いや、男としては引かれるんじゃないかと不安に思うところだぞ？」

首を横に振って否定する佐介だけど、私は大和さんにそういう一面があったとしても、引いたりましてや嫌いになったりなんてしないと思う。

「そうかな。だって完璧な人なんていないじゃない？　私だって欠陥だらけだし。でもそれも含めて私だと思うから、そういう私を好きになってほしいし、大和さんも曝け出してほしいと思う」

素直な想いと口にすると、佐介は呆れたように笑った。
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