夢原夫婦のヒミツ
「つまり愛実は、どんな大和さんも好きで、大和さんにもどんな愛実も受け入れてほしいってことなんだ？」

「……うん」

佐介に言われて気づいた。私、大和さんとお互いを曝け出せる関係を築いていきたいと思っているんだって。

「だったら俺とここでのんびりランチしていないで、早く帰って大和さんに伝えないと。……大丈夫、大和さんも愛実ときっと同じ気持ちだよ。結婚は同情なんかでできるものじゃない、もっと好かれているって自信を持って、しっかり伝えてこい」

「佐介……」

白い歯を覗かせて笑う佐介につられて、私も頬が緩む。

「まぁ……ずっと片想いしている蘭に、告白できないでいる俺が言うなって話だけどな」

苦笑いして言う彼に私はたまらず、声を上げて笑ってしまった。

「笑うなよ」と文句を言う佐介に謝る。心の中では感謝の気持ちでいっぱいだ。

佐介のおかげで改めて大和さんへの想いを、たしかめることができたから。

もしかしたら女として見られていないのかもしれない。……だったらこれから女として見てもらえるよう、努力すればいいだけ。
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