夢原夫婦のヒミツ
恋愛経験は大和さんとだけだし、そう思われても仕方ないかもしれない。でも私の気持ちを甘くみないでほしい。

彼の瞳を真っ直ぐ見つめ、自分の想いをぶつけた。

「大和さんや大半の人は、そうかもしれません。色々な人と出会い別れを繰り返して、本当に好きな相手と巡り合うのかもしれません。でも人それぞれだと思います。初めて好きになった人と生涯を共にする人だっています！」

大和さんに私の気持ちが届いてほしくて、必死に言葉を並べていく。

「私、手紙のやり取りから顔も知らない大和さんのことを好きだったんですよ？　文面から伝わってくる大和さんの優しさに惹かれていったんです。わ、私の気持ちは筋金入りなんです!!　甘くみないでください！」

拳をギュッと握りしめて伝えると、彼は目をパチクリさせた。

「本当ですからね!?　そもそも大和さんしか眼中にないのに、他の男性を見るわけないじゃないですか!!　……私は大和さん以外の男性を知りたいと思いません。大和さんだけでいい。だって好きになってから私はずっと幸せだったから」

「愛実……」

伝えている途中で感極まり、涙が出そうになり唇をキュッと噛みしめた。
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