夢原夫婦のヒミツ
「もっと大和さんのことを知って好きになりたいですし、私のことも知って好きになってほしいんです。だからそんな心配、しないでください。もう私の人生に大和さんがいないことなんて、考えられないんですから」

家族を失った悲しみの中、私を助けてくれたのは大和さんだった。

大和さんの存在があったから私は、今日まで強く生きてくることができたの。

それほど私にとって大和さんは、大切な存在なんだ。

私の話を聞き、彼は掴んでいた私の手を引いた。

「きゃっ!?」

バランスを失った身体は大和さんの腕の中に吸い込まれていく。そして苦しいほど抱きしめられた。

「ごめん、愛実の気持ちを疑ったりして。……悪かった」

震える声で謝罪の言葉を繰り返す彼に、涙が零れ落ちた。

「本当ですよ。疑うなんて酷いです。こんなに大和さんのことが好きなのに」

私も彼の背中に腕を回してしがみつく。

「本当にごめん。……いや、これだけじゃない。俺は他にも愛実に謝らないといけないことがある」

そう言うと彼はゆっくりと私の身体を離した。
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