夢原夫婦のヒミツ
「俺にとって愛実は魅力的だし、好きだからプロポーズしたんだ。同情で結婚などするわけないだろ!?」
焦った様子で話す大和さんは初めて見る姿だった。だっていつもの大和さんは落ち着いていて大人だったから。
でもだからこそそれが大和さんの本心だと信じることができる。
「じゃあどうしてなにもしてくれないんですか?」
キスもその先もしてくれない理由を教えてください。
彼の答えを待つ。すると大和さんは私から瞳を逸らすことなく言った。
「怖かったんだ」
「えっ?」
どういう意味? 怖かったって。
わからない私に彼は悲しげに瞳を揺らした。
「愛実には散々偉そうなことを言ってきたけど、いまだにあの家族を失った時の悲しみから俺は逃れられないでいる。……時々、夢に見るんだ。変わり果てた両親と対面した時のことを」
彼はゆっくりと私の肩から手を離した。
焦った様子で話す大和さんは初めて見る姿だった。だっていつもの大和さんは落ち着いていて大人だったから。
でもだからこそそれが大和さんの本心だと信じることができる。
「じゃあどうしてなにもしてくれないんですか?」
キスもその先もしてくれない理由を教えてください。
彼の答えを待つ。すると大和さんは私から瞳を逸らすことなく言った。
「怖かったんだ」
「えっ?」
どういう意味? 怖かったって。
わからない私に彼は悲しげに瞳を揺らした。
「愛実には散々偉そうなことを言ってきたけど、いまだにあの家族を失った時の悲しみから俺は逃れられないでいる。……時々、夢に見るんだ。変わり果てた両親と対面した時のことを」
彼はゆっくりと私の肩から手を離した。