夢原夫婦のヒミツ
「本当にいいの?」

そしてもう一度私に聞いてきた彼に、私は笑顔で頷いた。

「はい」

そのまま彼の胸の中に飛び込むと、大和さんはまたきつく私の身体を抱きしめる。

やっと大和さんの本心が聞けて嬉しい。それに大和さんに求められて、私が嫌になると思っているのだろうか。そんなこと、あるわけないのに。

「愛実……」

掠れた声で私の名前を口にすると、彼は身体を離してそっと私の唇に触れた。

熱い眼差しで見つめられ、嫌でもドキドキしてしまう。

「キス、してもいい?」

改まって確認されると恥ずかしい。……でも嫌じゃない、私ずっと大和さんにキスをしてほしかった。

「……はい」

返事をしてギュッと瞼を閉じると、ゆっくりと大和さんが近づいてくるのがわかり、緊張はピークに達する。

そして瞬間、唇に感じた温かな感触。甘くて幸せな気持ちで埋め尽くされていく。

触れるだけのキスはすぐに離れ、そのスピードの合わせるように瞼を開けると、すぐ目と鼻の先には大和さんの端正な顔があって微動だにできなくなる。
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