夢原夫婦のヒミツ
私、今大和さんとキス、したんだよね?

ずっと待ち望んでいた瞬間だったからこそ、まだ夢心地。

「愛実……もう一度してもいい?」

「えっ……んっ」

もう一度してもいいかそれに私が答える前に、再び唇を塞がれた。

まるで高が外れたように何度も何度も――。

「んっ……大和さ、んっ」

息苦しさを感じ、角度を変えて落とされるキスの合間に彼の名前を呼んでも、彼は止めてくれない。

むしろ口づけは深くなるばかり。

緊張でガチガチだった私の身体は甘いキスに、蕩けそうになる。

キスってただ唇を合わせるものだと思っていたけど違うんだ。……知らなかった、こんなに頭がふわふわになるほど気持ちいいものだったなんて。

必死に大和さんのキスに応えながら、もっとしてほしいと願ってしまう。

どれくらいの時間、唇を重ねていただろうか。身も心も大和さんのキスに酔いしれていると、ふと彼の手が私の背中から前へと移動してきた。

腹部から徐々に上がっていく彼の手に、甘い声が漏れてしまう。
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