夢原夫婦のヒミツ
「それは色々と理由があって……」

「理由ってなに？」

間髪入れずに聞いてきた蘭に、恥を忍んで打ち明けた。

「いつかは大和さんとそういう関係になれたらって思っていたよ？　だけど実際にその状況になった時、恥ずかしいというか怖くなったというか……」

しどろもどろになりながらも、食べる手を休めて聞く体勢に入った蘭に、必死に自分の思いを伝えていく。

「そういうことをするということは、つまりすべてを大和さんに曝け出すってことでしょ？　想像したら恥ずかしくて死にそうで……」

大和さんのことが好きだからこそ、すべてを見られることが恥ずかしくてたまらないんだ。

「だから私の方が聞きたいよ。みんなどうやってこの恥ずかしさを乗り越えているのかを。……蘭はどうだったの？　その、経験あるよね？」

今までこういう話をしてこなかったから、聞くことに躊躇ったけれど思い切って尋ねた。

親友だからこそ聞かせてほしい、教えてほしい。

蘭はどうやってあの、恥ずかしくてどうしようもない気持ちを乗り越えたの？

すると口を挟まず話を聞いてくれていた蘭は、「ふふっ」と笑った。
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