夢原夫婦のヒミツ
「一緒の時間を過ごしていくうちに、もっと近づきたいって気持ちが強くなって、誰にも取られたくないって思ったんだよね。なんて言えばいいんだろう、肌と肌を重ねるだけで私は愛されているんだって自信がつくっていうのかな」

蘭は私を見据え、微笑んだ。

「最初は手を繋いで抱きしめ合って、キスをして……ひとつひとつの行為をしていくたびに、それだけで幸せだと思っていたの。でもね、いつの間にかそれだけじゃ物足りなくなって、もっともっとって貪欲になっていった」

貪欲になる? 私もそうなるのかな。今はただ、大和さんの本音に触れることができて、一緒のベッドで眠り、キスをするだけで幸せな気持ちでいっぱいになる。

それなのにこれ以上を望むようになるのだろうか。

考えていることは素直に顔に出ていたようで、蘭はクスリと笑った。

「愛実にもわかる日がくるよ。もしかしたら今夜、そう思っちゃうかもしれないし」

「えっ! そんな突然くるものなの?」

びっくりして声を上げると、蘭は「くるものなの」と繰り返した。
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