夢原夫婦のヒミツ
大和さんの言う通り、少しずつ慣らしていけばいいよね? そうすればきっと、私も蘭のように物足りなく思う日がくると信じたい。

「ありがとう、蘭。話を聞いてくれて」

おかげで気持ちが軽くなった。

すっかり冷めてしまったパスタを慌てて口に運ぶ。

「なによ、親友として当然でしょ? ……いつでも頼ってね」

「……うん、ありがとう」

本当に心強い味方だよ。

たまには佐介抜きで、こうしてふたりで会うのもいいかもね。ちょっと佐介の前ではできない話だったし。

……あ、そういえば蘭はどうして今夜、急に会おうって言ったんだろう。佐介に関することだよね?

パスタを食べ終え、食後のドリンクが運ばれてきても蘭は肝心の話を切り出してこない。

これは私から聞いた方がいいのかな?

「デザートでも食べる?」と言いながら、メニュー表を手に取った蘭に思い切って聞いてみた。

「ねぇ、蘭。今夜はなにか話したいことがあったから誘ったんでしょ?」

すると蘭はメニュー表から私に視線を向け、気まずそうに目を逸らした。
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