夢原夫婦のヒミツ
顔を見合わせて笑い合い、大和さんのことが好きって気持ちが溢れ、私も大和さんに抱きついた。

「楽しみですね。私、ダイビングしてみたいです。魚と泳いでみたくないですか?」

「いいな、それ。楽しそう」

肩と肩を寄せ合い、仲良くガイドブックに目を通していると、時間はあっという間に過ぎていく。

「っと、もうこんな時間だな」

「あ、本当ですね」

時計を見ると二十二時を回ったところ。お互い明日も仕事だし、そろそろお風呂に入って寝ないと。

お風呂は洗ってあるからスイッチを入れるだけ。だけど私が立ち上がるより先に大和さんが腰を上げた。

「スイッチを入れるだけだよな? 入れてくるよ」

「すみません。じゃあ私はコップを片づけちゃいますね」

共働きだからこそ、こうして家事を分担することにも慣れてきた。

最初は大和さんにやってもらうのが申し訳なく思っていたけれど、きっと彼は私にそんな風に思ってほしくないと思う。

手紙のやり取りからはじまり、少しずつ大和さんのことを知っていって、結婚した今もまだ新たな一面を知ることがある。
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