夢原夫婦のヒミツ
「え、どうしたのふたりとも」

小さな手がふたつ、頭上で行き来してくすぐったい。

「夢原先生を励ましてあげているの。だって私も健一くんと離れちゃったら寂しいもん」

「僕も同じ。だからね、夢原先生の旦那様も寂しいと思うよ? だから元気を出して」

「それにきっと旦那様も、早く夢原先生に会いたくて仕方ないと思うよ」

「茉奈ちゃん……健一くん」

可愛いふたりの一生懸命な励ましに目頭が熱くなる。

そう、だよね。寂しいのは私だけじゃないよね。大和さんだって、寂しいと思ってくれているかもしれない。

ふたりの手を握りしめ、笑顔で伝えた。

「ふたりとも、ありがとう。……おかげで先生、元気が出たよ」

そう言うとふたりは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

「よかった~! 夢原先生が元気になってくれて」

「ねー」

喜ぶふたりを見て、私も笑ってしまった。

この日は昼休み返上して、子供たちと一緒に庭園で思いっきり遊んだ。

走って笑ったらもっと元気になれた。
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