夢原夫婦のヒミツ
きっと大和さんは帰ってくる。だって言ってくれたじゃない。私のことを幸せにしてくれるって。

知らせがないのは、頑張っている証拠。そう信じてもいいよね?

私は元気に大和さんの帰りを待って、帰ってきたら笑顔で出迎えればいいんだ。

それをきっと大和さんも望んでいると思うから。

めいっぱい子供たちと遊んで事務作業を終え、職場を後にする。

今日はよく働いたな。でも毎日これではきついかも。そう思うと先生たちはすごい。

朝から晩まで園児たちと一緒に遊んで面倒を見ているのだから。

自転車に乗る前にスマホを確認すると、新着メッセージ一件ありの文字が。

うそ、もしかして……!

急いでタップすると大和さんからだった。

【連絡遅くなってごめん。なにも変わりはないか? 情報が錯そうしているようだけど、誰も土砂崩れに巻き込まれていないから。無事だから心配しないで】

「よかった……!」

メッセージ文を見てぶわっと涙が溢れた。

本当によかった、大和さんたちみんな無事で。

涙を拭い、すぐに返信文を打ち込んでいく。
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