夢原夫婦のヒミツ
その間、何度か連絡を取り合ったけれど寂しさはやっぱり感じていた。そして痛感させられた。

大和さんの仕事は誇らしく思うけれど、なにかあれば駆けつける仕事でもある。
こうして離れている時間が多いこともあるんだって。

一緒に過ごせる時間は貴重で大切で、思ったことをしっかり伝えないといけないって。

「早く会いたいな……」

大和さんがいない間に、ふたりで選んで買ったダブルベッドが届いた。

広いベッドにひとりで眠りながら恋しさが募る。

大和さんの声が聞きたい、笑った顔が見たい。抱きしめてほしいし、キスがしたい。その先も……。

365日、毎日一緒にいられないからこそ共に過ごせる時間を大切にしていきたい。

彼のいない二週間で何度も感じたことだった。


そして、災害発生から約二週間後。今日は大和さんが現地から戻ってくる日。

ちょうど土曜日で仕事は休み。朝から家中を綺麗にして、大和さんが好きな料理をたくさん作っていく。
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