夢原夫婦のヒミツ
「明日も食事がとれないようでしたら、先生に相談してみます」

夕食の残量を確認しながら言うと、看護師さん次に私が手にしていた迷彩服を見た。

「あ、それ……」

そう言うと、看護師さんはクスリと笑った。

「ごめんなさい、袋に入れたりして。だけど衛生上、そのまま患者さんに持たせるわけにはいかなくて」

「えっ……」

もしかして看護師さんは、この迷彩服のことを知っているの?

「あ、あの……! この迷彩服、誰のなんですか? それにどうして私の枕元に?」

知りたくて聞くと、看護師さんは目を丸くさせた。

「あらやだ、もしかして覚えていないの?」

「はい。なので教えてください!」

すると看護師さんは話してくれた。どうしてこの迷彩服が、私の枕元にあったのかを。



消灯時間を過ぎても眠れず、袋に入った迷彩服を抱きしめて夜空を見上げた。

全然無意識だった。

朦朧とする意識の中、なにかに必死にしがみついたのは覚えている。……だけどそれがまさか、助けてくれた自衛隊員の人の制服だったなんて。
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