夢原夫婦のヒミツ
こうして私は受験勉強に励みながらも、いつも大和さんのことを思い描いていた。
「文通って……小学生か!」
次の日。大和さんから届いた手紙が嬉しくて、ゼミの合間に蘭と佐介に話すと、蘭にそれはもう盛大に突っ込まれた。
「スマホがあるでしょうが、スマホが!! どうしてID聞かないのよ」
「いや、だって……大和さんは大変な仕事をしているし。手紙だったら、そんなに負担をかけないかなって思って……」
しどろもどろになりながらも理由を話すと、蘭は呆れ顔を見せた。
「今の時代に、メッセージひとつ送るのがなんの負担になるっていうの? それに愛実だって本当は、私たちとやり取りしているように、大和さんともメッセージや電話をしたいんじゃないの?」
詰め寄る蘭に佐介が「落ち着け」と宥めた。
「いーや、これは落ち着いていられないでしょ!」
佐介の手を払い除け、蘭は私の真意を探るような目を向けた。
「毎日のように私と佐介に大和さんの話をするってことは、愛実は大和さんのことが好きなんでしょ?」
「好きって……私が大和さんを!?」
「文通って……小学生か!」
次の日。大和さんから届いた手紙が嬉しくて、ゼミの合間に蘭と佐介に話すと、蘭にそれはもう盛大に突っ込まれた。
「スマホがあるでしょうが、スマホが!! どうしてID聞かないのよ」
「いや、だって……大和さんは大変な仕事をしているし。手紙だったら、そんなに負担をかけないかなって思って……」
しどろもどろになりながらも理由を話すと、蘭は呆れ顔を見せた。
「今の時代に、メッセージひとつ送るのがなんの負担になるっていうの? それに愛実だって本当は、私たちとやり取りしているように、大和さんともメッセージや電話をしたいんじゃないの?」
詰め寄る蘭に佐介が「落ち着け」と宥めた。
「いーや、これは落ち着いていられないでしょ!」
佐介の手を払い除け、蘭は私の真意を探るような目を向けた。
「毎日のように私と佐介に大和さんの話をするってことは、愛実は大和さんのことが好きなんでしょ?」
「好きって……私が大和さんを!?」