夢原夫婦のヒミツ
これが大和さんの声なんだ。想像通り、優しそうな声だった。

すぐにもう一度再生ボタンを押す。それはもちろん、何度も何度も――。


大和さんの声を聞きながら、私は追い込みに入った。

管理栄養士になることを、亡くなった両親たちも応援してくれていた。きっと、私の夢が叶うことを願ってくれているはず。

それに大和さんだって、応援してくれている。

それなのに合格できないわけにはいかないもの。

蘭や佐介と共にお互いを励まし合いながら、落ち着かない年末年始を過ごし挑んだセンター試験。

そして大学受験へと続き、結果を待っている状況で卒業式を迎え……無事、私は希望していた大学への進学が決まった。

三人とも合格発表を終えた日の夜、佐介の家で合格祝いをしていた。

そこで蘭と佐介に、大和さんのことを相談してみたんだけど……。

「えっ!? 大和さんに大学の合格祝いに会ってもらえるか、聞いてもいいかって!?」

「うん、どうかな」

大和さんの声を聞いた日から、ずっと考えていた。今度は直接会って声を聞きたいって。

「ほら、もう高校生じゃないし! 大学生になるし……!」
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