夢原夫婦のヒミツ
一呼吸置き、声が震えそうになりながらメッセージを残していく。

「それとあの……これからも、手紙のやり取りを続けてほしいんです。大和さんにもらった手紙は、どれも私の元気の源になっていて……綴られている言葉、ひとつひとつが私の背中を押してくれるんです」

時々、どうしようもなく悲しくなることがあるけれど、そのたびに大和さんから送られてきた手紙を読むたびに、頑張ろうと思えるの。

「お忙しいのはわかっています。お返事はいくらでも待ちます!! なので、これからも手紙のやり取りを続けてくれたら嬉しいです。……えっと、それでは」

最後はなんて言ってしめたらいいのかわからず、早口で捲し立てて通話を切った。

スマホを眺めたまま、深いため息が漏れる。

「緊張した……!」

大和さんも私に伝言メッセージを残してくれた時、同じように緊張したのかな? ……いや、するわけないよね。だって大和さんは大人だもの。

だけど自分が伝えたかったことを、ちゃんと伝言に残すことができた。大和さんに届くはず。
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