夢原夫婦のヒミツ
「日比谷さんは、私のことを想って教えてくれたんです。……私が大和さんのことを好きだと知っていて、ずっと応援してくれていたから……」

「――え」

すると大和さんは、信じられないと言うようにまじまじと私を眺めてきた。

言ってしまった。ずっとずっと、温めてきた気持ちを。でも、私の気持ちは大きくて、大和さんを好きな気持ちは誰にも負けない自信がある。だから……。

「大和さんのことが、ずっと好きでした。だからお見合いなんてしてほしくないんです。……お見合いするくらいなら、私と結婚してください!!」

そうだよ、恋人がいなくて結婚相手を探すためにお見合いパーティーに参加するなら、私と結婚してほしい。

私の告白が予想外だったのか、驚き固まる彼に必死に自分の想いを伝えていく。

「家族を失い、悲しみのどん底にいた私を救ってくれたのは、大和さんにもらった手紙なんです。大和さんの手紙に私はたくさん救われました」

「愛実ちゃん……」

きっと大和さんの手紙がなかったら、私はあれほど早く前向きになれなかったと思う。
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