夢原夫婦のヒミツ
私のことなんて、妹のようにしか思っていなかった? 恋愛対象じゃない私からの告白は、ただ彼を困らせているだけ?

マイナスな考えばかりが頭をよぎる中、突然大和さんは私の腕を引き、来た道を戻っていく。

「え、あっ……大和さん?」

どうしたんだろう、急に。そ、それに私の告白の答えは……?

知りたいけど、聞くのが怖くもある。なにも言えず彼に腕を引かれるがままついていくと、たどり着いた先は基地の前。

そこで足を止めると、大和さんは慌てた様子で私に言う。

「愛実ちゃん、すぐ戻ってくるからここで待ってて」

「えっ?」

「絶対ここから動かないでね」

念を押して言うと、大和さんは走って基地の中へ行ってしまった。

えっと……これはどういうことだろうか。

すぐ戻ってくるって言っていたし、私の気持ちは迷惑ではなかったと勝手に解釈してもいいのかな?

でもすぐに返事をくれなかったし、困って一度ひとりになってどう断るか考えたかったからとか……?
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