mirage of story
〜2〜
「貴方との―――決着を、着けにきました」
決意した。
私の存在の本当の意味と罪を知って。
大切な人が私の存在を受け入れてくれると知って。
私は、決意した。
.......何も捨てないで、何からも逃げないで全てを自分の手で終わらせることを。
「..........全て、此処で終わらせましょう」
だから私は此処に立っている。
たった一人。
シエラとして―――そしてルシアスとして、カイムではないもう一人の大切な人の前に。
「お前.......」
彼は驚いていた。
綺麗な青い瞳を見開いて。
彼は私を見ていた。
解き放たれた幼い頃の記憶の中の瞳と、変わらぬその瞳で。
ただ、あの時とは違うこと。
それは青に秘められた感情。
あの時は優しくて温かいものだった。
けれど今は哀しく、氷よりも鋭く冷たい。
そう......彼は知らないから。
シエラという私に隠された中に、ルシアスという私が居るということを。
彼は―――ライルは知らない。気が付いていない。
彼はシエラである私の敵。
私は彼の敵。
彼にとっては私達は敵同士。憎い仇同士。
.......殺すべき相手なのだ。
「お前........よくのうのうと現れることが出来たな?」
驚きの表情の後を追い掛けるようにして、彼の顔から溢れんばかりの憎しみの表情が滲み出る。
目に宿る光の色が変わり、鋭さを増して私を突き刺す。
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「貴方との―――決着を、着けにきました」
決意した。
私の存在の本当の意味と罪を知って。
大切な人が私の存在を受け入れてくれると知って。
私は、決意した。
.......何も捨てないで、何からも逃げないで全てを自分の手で終わらせることを。
「..........全て、此処で終わらせましょう」
だから私は此処に立っている。
たった一人。
シエラとして―――そしてルシアスとして、カイムではないもう一人の大切な人の前に。
「お前.......」
彼は驚いていた。
綺麗な青い瞳を見開いて。
彼は私を見ていた。
解き放たれた幼い頃の記憶の中の瞳と、変わらぬその瞳で。
ただ、あの時とは違うこと。
それは青に秘められた感情。
あの時は優しくて温かいものだった。
けれど今は哀しく、氷よりも鋭く冷たい。
そう......彼は知らないから。
シエラという私に隠された中に、ルシアスという私が居るということを。
彼は―――ライルは知らない。気が付いていない。
彼はシエラである私の敵。
私は彼の敵。
彼にとっては私達は敵同士。憎い仇同士。
.......殺すべき相手なのだ。
「お前........よくのうのうと現れることが出来たな?」
驚きの表情の後を追い掛けるようにして、彼の顔から溢れんばかりの憎しみの表情が滲み出る。
目に宿る光の色が変わり、鋭さを増して私を突き刺す。
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