mirage of story











私にとってルシアスにとって、誰よりも大切で愛する人を殺めなければいけない。
私にとってシエラにとって、憎むべき相手の命を奪う機会を逃してはいけない。





あぁ、やっぱり戦いなんて。
してもしても、哀しく虚しくなるだけだ。

だけど私は彼と向き合わなければならない。
こんな、戦いという形で。





此処に居る。
その時点で覚悟はしてきた。

私は全てに向き合うため全てを受け入れるため、けじめをつけるため、そして彼とこうして剣を合わせるために来たのだ。
全てを、終わらせるにはそれしかないから。
























.......ダッ。
ギイィィインッ!カンッ!

空気が、動く。
踏み出したくはない一歩を、私は踏み出した。




金属がぶつかる音に、激しい火花が散る。

斬り掛かったのはライルで、私はそれを剣で受け止める。
激しい衝撃が私を襲い、私はそれを足を地に踏ん張って耐えるが、その力で数センチ後ろへと圧される。









ガッ。キィンッ。
息をつく間さえ、私に与えてはくれない。

一撃また一撃。
ライルは身を翻して私を斬るべく猛攻に出る。
私は完全なる守勢だった。




腕から伝わる衝撃に、手が痺れてきた。

だがライルが敵である私を気遣うわけもなく、攻撃は激しさを増す。









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