mirage of story
私と彼―――ライルの視線が、ぴったりと重なった。
私の瞳には驚きと衝撃からか見開かれた彼の表情が。
彼の姿に私の胸の鼓動はピークを越えて逆に鎮まっていって、何故か私は落ち着いていた。
ついに、この時が来た。
シエラとしての、憎むべき敵との再会と対峙。
ルシアスとしての、愛した大切な人との五年越しの再会。
あまりに対比する二つの再会が同時に訪れるこの時が。
『貴方との―――決着をつけにきました』
驚きを隠せない様子の彼にそう告げた。
決着。けじめ。
全てを、終わらせなければ。
私の持つ彼の持つ哀しみが、これ以上深くなる前に。
この幼い頃に縺れてしまった私と彼の運命に、私は今此処で終止符を打つ。
「はぁ......はぁ.....」
そしてその結果。
この今の現状.....この結果が、私のけじめだ。
上から聞こえる荒い息遣い。
鋭い刃に切り刻まれた身体は痛み、血に塗れてじっとりと重い衣服が纏わりつく。
空気さえ重く、私はただのボロ切れのように自分の血に濡れた地面へとひれ伏す。
そう。
これが、けじめ。
私が死ぬことで―――何も知らないままの彼にとってシエラでしかない私が死ぬことで、彼の哀しみが晴れるのなら。
私に憎しみをぶつけることで、彼の胸の痛みが拭われるのなら。
私は、此処で死のう。
彼の手によって。
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