mirage of story
傷だらけの冷たい彼女の―――シエラの、ルシアスの身体をライルは強く抱き締めた。
抱き締めた彼女の身体はぐったりとして動かない。
だが、まだ微かに心臓の動く音が聞こえた。
「ルシアス.....ルシアス!」
あぁ。
自分がこの温もりを、奪ってしまったのか。
いくら後悔をしても、足りはしない。
ルシアス。
やっと会えたのに。
やっと、気が付くことが出来たというのに。
今度こそ、お前を守るのに。
その手を離しはしないから、今度こそ幸せにしてみせるのに。
なのに、お前の瞳は閉ざされてしまった。
「............目を、覚ましてくれ.......死なないでくれ」
懇願する。
ルシアスを本当に失ってしまうというのなら、俺は何のために今まで生きてきたのか。
何のためにずっと、ルシアスを愛してきたのか。
守るために愛してそして戦ってきたのに、自分はいつの間にか彼女を傷付け殺そうとしている。
どうして。
どうしてこんなことに、なってしまったのか。
"ようやく、己自身で気が付くことが出来たか―――。
.......どうにか、間に合ったようだな"
「っ!」
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