mirage of story
「まずは、あの破壊活動を止めさせなくちゃならない」
見れば、もう周りにあったはずの大地は穴だらけ。
ぽっかりと所々に口を開いた穴の奥からは、濃厚な闇が見え隠れする。
これはたった一匹の、たった一人の力が齎したその結果。
ドオォンッ!
ドドオォォンッ!
............。
止む間もなく、次々と繰り出され響いていた破壊音。
止めなければ。
早く止めなければ、世界の本当の終わりまではもう遠くない。
だがそう思い立ち上がった二人に次の瞬間齎されたのは、まさかの静寂。
「..........」
攻勢が、止んだ。
今まで響き続けていた破壊音が、あまりに唐突に途切れ終わりを迎えた。
一転、辺りが不気味な程に沈黙に包まれる。
どうにか破壊を止めなくては。
その想いと状況は重なったのだけれど、その理由が分からなければ逆に不安である。
これは何かの前触れ?
それとも見えないところで、何かが起こったのだろうか?
くるくると激しく移り変わる非現実な現実に、立ち上がった二つの影。
彼等は自分達の上で何も言わずに闇を見据え構える、光纏う竜を見た。
"...............彼も、けじめを付けに向かったか"
とても哀しそうな瞳。
憐れむ瞳。
向けられた視線に、竜は悟ったようにポツリ呟くとまた口を閉ざした。
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