mirage of story
「彼って........」
意味深な言葉に何かを感じて、シエラは問い返そうと口を開いた。
「........あれ、嬢ちゃんじゃねぇかい?
おぉーいっ!
嬢ちゃんよぉー!」
攻撃が止み静かになった世界。
問い返すシエラの声が響く中で、それを遮り聞こえる声があった。
所々が大きく抉られた大地の間を縫って、遠くから叫ぶ。
タッタッタッタッ。
走る足音にシエラは、そしてライルは視線を向ける。
「ジェイド!?」
「ジェイドさん!?」
同じ所へと向けた視線。
その視線に入るヒラヒラと手を振りながらヘラッと笑うその人影に、同じ言葉が零れる。
その人影の括られた揺れる長い銀髪に紅の瞳には、シエラにもライルにも見覚えがある。
「嬢ちゃん!
ちゃんと生きてたか!
........おぉ、おまけに隊長まで居るじゃねぇか?
いやいやー、お久しぶり!」
こんな異常な状況であることを一切お構い無しに、道端で昔の友人を見つけたような感覚で手を振るその人。
張り詰めていた空気がガラガラと崩れ、シエラとライルは拍子抜けしたように顔を見合わせる。
「ハハハッ!
二人でそんな見つめ合ってるところを見りゃ、どうやらけじめは付いたようだな?」
「........ハハハッ、じゃないだろう」
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