mirage of story












「我が息子よ。お前はこの実の父に刃を向けるというか?

........面白い。
だが、それ以上に愚かよ」




辺りには壊された世界。
穴だらけの虚しい大地。

その上で向き合う父子。
その二者をニタリと笑いを浮かべ見つめる、残酷で非情な漆黒の闇。















「.......父の名を語り俺を息子と呼ぶのは止めて下さい。

貴方は俺の父じゃない。
外見は父でも、内に居る貴方は父じゃない。人じゃない」




冷静な言葉で斬り捨てる紅。

その言葉につまらなそうにフンッと鼻を鳴らす。









「....................ロアルよ、お前の息子も生意気な餓鬼になったものよ。

お前は先程、もう全てを知っていると言っておったな?
―――それは、あの愚かな竜共の入れ知恵か?」




黒と紅......父子のロアルとカイムが会話を交わす。
だが実際に交わすは、カイムとロアルを侵食する強大な闇。

闇は相手にされないことが分かり、あっさりと本性を出す。




愛しき息子と闇との対峙。
本当の父は、口を出すことさえも叶わない。















「―――はい。

全部あの美しい竜に、水竜に教えてもらいました。
俺にも真実を知らなければならない時が来た、と」




「やはりな。

全く忌々しい。実に小賢しい。
奴はいつも我の邪魔をしおる」







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