mirage of story



 
 
 
 
 
カイムはそう言うと、奥に居る人達のうち一人に目を合わせる。

すると何だか凄く焦った感じで急いで目を逸らされてしまう。
やはり何か異常である。








「本当に何があったんだ?
あの人達の様子.....」


「.........」




二人は互いにこの異様な雰囲気を察してお互いに目を合わせた。






「あ、そういえばシエラの方は大丈夫?」



シエラと目を合わせたカイム。
彼女の水色の瞳。
その色にハッと思い出したように口を開く。







「え?」



「.......いや、さっきシエラも何かおかしかったから」




カイムは何のことだか分かっていない彼女に分かるように説明する。







「あ、あれは!
あれは何でも無いの!
き、気にしないで!大丈夫だから」




あぁ、さっきのことか。
シエラはハッとして苦笑いをする。


もう今ではすっかり原因不明の動悸も治まっていたので忘れていた。
今周りに広がる衝撃的な現実に彼もそんなこと忘れていると思っていたのだが、変なことはしっかり覚えているカイムである。







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