mirage of story
 
 



 
 
 
 
「?」



そんな二人の様子を、何のことか分からずにただ呆然と見るカイム。
やっぱり彼は鈍感である。








「まぁ、いいわ!
さぁ、二人ともこっちにいらっしゃい。
街の皆が貴方達を歓迎しているわ」




あからさまに慌てるシエラが何だか可哀想になったのか、ネビアはフフッと微笑むとそう言って後ろを振り返り指差す。








―――。




「.........。
改めてシエラちゃん、カイム君。
ようこそ、ランディスの街へ」





二人は、ネビアの声と共に指差す方を顧みる。 
そこには、まだ完全に警戒心は解けていないもののさっきよりは明らかに穏やかになった人々の視線が。









「さぁ、奥へ」



そう言いシエラ達を一瞥すると二人を誘うようにまだ先へ続く部屋の奥へと進んでいく。

ダッ。
それに遅れないよう、二人はネビアの背中を追うように共に進んでいった。






 
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