mirage of story
──────タッタッタッタッ.....。
驚愕と困惑。
そんな感情だけが、この空間を支配するその中で
そんな静寂を、破るかのように唐突に響き渡った。
響き渡るその音は、足音。
敵か?
味方か?
その足音は、こちらに近付いて来る。
(──────誰?)
時が止まってしまったかのような、そんな中で
自分とネビア以外の何かがこちらに向かって来る。
シエラの呼吸の音と、足音が共鳴する。
今の非現実的な状況も気になるが、シエラには近付いてくる何かの存在も
とても気になった。
自分たちの姿がないことに気が付き、捜しに来てくれたのならいい。
だが....もしもこの足音の主が敵だとしたら、状態は今以上に悪くなる。
──────タッタッタッタ......。
近付く足音。静止した空間。
早くなる胸の鼓動。
心なしか、荒くなる呼吸音。
(........誰なの?)
シエラは足音の聞こえる先を見つめた。
タッタッタッタタッ.....。
─────ッ。
そして足音は、シエラの目の前で静かに止まった。
荒い息遣いが聞こえる。
ここまで必死に走ってきたことを、空気を伝わって感じられる荒い息遣いが物語っていた。
「─────見付けた」
少し低めの声が、空気を震わせる。