mirage of story
 
 
 
 
 
 
 
避けられない。

そう考えたカイムは、迫り来る廃墟の残骸に立ち向かうために剣を素早く構える。




巨大な残骸と、カイムの剣。

勝敗は......明らかだった。








もうすぐ目の前まで、迫る。

カイムは剣と残骸が触れる寸前......もうすぐ来るはずであろう強い衝撃に備えて、目を固く閉じた。






(────ッ....)



だが、来るはずの衝撃が来ない。



それどころか、さっきから鳴り渡っていた轟音も一瞬のうちに消えてしまった。

辺りがさっきとは一変、静まり返る。






(.........何が起こったんだ?)




カイムは今、自分が置かれている状況を把握するため、閉じられた瞳を恐る恐る開ける。




開けるのは、正直怖かった。

目を開けて、前に広がるはずの光景は.....どう考えてもよいものではなかったから。







(........一体どうなっているんだ?)







そして今の状況に至る。


カイムは、自分の目に入ってきた光景を
......しばらく理解することが出来なかった。







 
< 347 / 1,238 >

この作品をシェア

pagetop