mirage of story
 
 
 
 
 


――――。ッ。






「おいお前達、そんな所で何をやって.........!?
なっ、ルシアス姫様!」



倒れたその人を前に、会話を繰り広げる幼い子供達の影。

ッ。
そんな状況に近くの民家より出て来た一人の男が気が付き近寄る。



子供達が何か悪戯でもしているのだろう。
そんな軽い気持ちで近寄るその人は子供達にそう言うが、その途中小さな影のその一つにルシアスの姿を見付けて飛び上がり驚く。


無理も無い。
こんな街外れの田舎道、まさかこんな所に一国の姫が何の護衛なども付けずに居るなど誰も思わない。







「ひ、姫様!?こんな所で一体何を......。

―――!
そこのお前!姫様の前で何をしているっ!」




出てきたその男は飛び上がりつつも彼女に深々頭を下げて敬意を示す。
やはり困惑と動揺は隠せない。


どうして此処に姫様が?
男がそんな言葉を述べようとするその途中、男はルシアスの後ろに横たわる問題の倒れる人の影に気が付く。



ッ!
急に声色を変えて怒鳴り付ける。
そして目の前のルシアスに気を遣いつつも少々乱暴な足取りで倒れるその人に歩み寄ると、ルシアスには想像も出来なかった行動に出る。












「おい、立て!この尼め!
我等が姫様の前で何て様を見せてやがる!恥を知らんか、恥を!

........すみませんね、姫様。
今すぐにこれを片付けますので、少々お待ちを」





――――。
ガシッ......ガッ!



ルシアスだけではない。
その場に居たライルも、街の子供たちも驚かざる得なかった。





男が起こした行動。
それは決して人相手に行われるようなことでない、非道の所業。

――――。
倒れている"奴隷"と言われるその人を、男は塵でも扱うかのように足で蹴り飛ばしたのだ。









「ッ!
ちょっと、止めなさい!
何するのよ!」




ルシアスは思わず声を張り上げる。







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