mirage of story
〜6〜







再び所は同じアトラスの街のその中の別の場所。
片隅の小さな宿屋。


静かなその宿屋の部屋で二人、向き合うのは男と少女。

ジェイドとシエラ。
二人はいつになく慎重な面持ちで空っぽのグラスが置かれたテーブルの前で、話を始める。









「.........えっと、何処から話をすればいいでしょうか?」



口を開く彼女は少しぎこちない。


会って間もない男女が二人、密室での会話。
隣の部屋にカイムは居るものの、今彼は眠りの中。

心配することは無いと思うのだけれど、やっぱり緊張はする。







「嬢ちゃん?
その前にちゃんとした自己紹介でもしとこうか。
その方が話だってし易い」



彼女の緊張を察して、ジェイドが提案をした。

こんな雰囲気じゃ話どころではない。
彼女も居にくかろうが、事実彼自身も居心地が良くない。


........まぁでも、他人に深く関わる気は無い彼にとってはほんの一瞬のこと。
何の問題も無いだろうが。










「はい....そうですね」



提案に頷く彼女。
コクリと頷く拍子に彼女の長い明るい色の髪が揺れて光を振り撒く。







「そうそう♪
じゃあ此処はレディーファースト.....といきたい所だが、まぁ俺からでいいか!」



そう言い彼はまたハハッと笑う。






「名前はもう知ってると思うが、ジェイド。
歳は二十歳そこそこ。自称美男子で男前。
どうぞお見知り置きを、お嬢さん?」




ジェイドはお得意の軽い笑みを満面に浮かべると、少しだけふざけたような口調で言った。





 
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