mirage of story
――――。
冷たい氷のようなその視線は鋭い刃となり彼女の胸に突き刺さる。
シエラの身体に寒気が、そして震えが襲う。
気持ちは今すぐにでもライルの前に姿を現して常に心にある復讐の想いをぶつけてやりたい。
奴の胸を自らの剣で貫いてやりたい。
そんな恨み憎しみの色が濃い想いがあるのに、身体は言うことを聞かない。
そんな自分が情けなさ過ぎて自己嫌悪が沸く。
「シエラ、どうする?」
そんな彼女の様子に今まで黙ってジェイドの話を聞いていたカイムは伺う。
「......大丈夫。
もう私達の正体を、向こうは完全に知っている。
これ以上隠れてても、何にもならないみたいね」
カイムの言葉に幾らか気持ちを落ち着かせる。
今は、感情に左右されていては駄目だ。
状況を―――この不利すぎる状況を奪回する策を考えなければ。
――――。
そうしなければ、私達は此処で殺される。
そう直感が伝える。
「......戦うしかないか」
二人がほぼ同時にそう口にしたのは"戦う"という言葉。
違う頭で考えても、同じ目的を胸に持つ者同士の行き着いた答えは見事なまでに一緒だった。
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