mirage of story
 



 
 
 
 
その言葉に一瞬ライルは陰を落とした。
それから厳しい顔付きになって、暫くの無言の後に口を開く。




――――。
ジェイドがもうこちらに戻ることは、叶わない。

はっきりと言われた。




お前のそのジェイドへの感情は任務への妨げになる、と。
........。
これは隊長命令この場から今すぐ退け、と。



ライルの厳しい言葉に、キトラは唇を噛み締めた。
隊長命令は絶対。
それが掟。


それにはっきり足手纏い発言をされてしまった。
納得は出来ない命令ではあれど皆に迷惑は掛けたくはなかった。
彼は身を引かざる得なくて、無言のままライルへと背を向けた。



ッ。言われるがままにその場から立ち去る彼は後ろを振り向かなかった。

後ろを振り向いたらきっと、隊長の辛そうな顔がそこに在ると思ったから。




ライルは、とても部下想いな隊長だ。
面には出さないが、そのことをキトラはよく知っている。

だから今回も自分のことを考えての言葉を掛けてくれたのだろう。
そう思ったからキトラは、振り向かずにその場から姿を消していった。








「.........」



一人、仲間に背を向け闇夜を歩くキトラ。

ッ。
きっと自分の後ろではもうすぐ戦いが始まる。
大切な人と自分のことを思ってくれる人との戦いが。







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