mirage of story
降り注ぐ純白の光は、大地や森へと染み込み世界の隅々、奥底まで浸透する。
浸透したその光は、壊れ死に絶えた世界を再生へと導く。
生への活力が、世界から漲ってくる。溢れてくる。
世界が.....生き返っていく。
竜たちは、自らの力を行使して世界に生を取り戻した。
二匹の竜の人に託した二度目の願いは、光へと姿を変えて人々へも降り注いだ。
やがて空から降り注ぐ光は静かに消えゆき、消えた光の先に現れたのは
完全に再生された、元の世界。世界の、そして人の二度目の始発点だった。
――――.....。
そして世界を再生した二匹の竜が宿る二つの指輪は、役目が終わり静かに地に墜ちた。
今度は二度と同じことが起こらぬよう、指輪に己の認めた者にしか扱えないという暗示をかけて。
二つ、それぞれ違う場所に。
竜たちは、世界が再び終わりを迎える時が来る、遥か先の未来まで。そのままその身を、指輪に留めて竜たちは静寂な眠りについた。