mirage of story
〜3〜







それからまた、幾千もの時が流れ再生された世界で、人はまた新たなる道を歩んでいた。




人は、世界と共に平和に生きていた。

世界が一度崩壊してから、絶望に打ち拉がれたあの時の教訓が人の中には根付いた。
幾千という時の中、巡る人の生の循環の中で人はその魂に刻まれた教訓を、平和への意志を受け継いできたのだ。


受け継がれる意志。
その中で、人は互いを助け合い世界と共存していた。






世界と共存し合う人。

幾千の時の中で、人々は二つに別れた。
一つは魔族。そしてもう一つは人間という種族である。




魔族。
それは、世界を崩壊へと導いたあの人が己の欲を満たすために自分の元へと集めた人々。

支配者が死に、その後人々は解放され自由となった。



それから数百年。
魔族という存在は忘れ去られた存在となった。

だがある時、平穏を保っていた人の中に特別な力を持つ者たちが現れた。
何の前触れもなかった。その特別な力を持つ者たちが唐突に世界に現われ始めた。




特別な力。
それは自然を操る不思議な力。

今までの"人"には見受けられなかった、新たな力だった。



力の属性や強弱は、さまざまだった。
ある時からその力を持つ者たちが現われ始めて、それから数十年という短い時の中で世界に生きる人の数の半分を占めるようになっていった。











 
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