mirage of story
〜4〜
"それから私は世界の隅々を捜させ、ついにもう一つの指輪<炎竜の指輪>をこの手に収めた。
水竜との契約。世界を守るという大役はやはり私には重いのかもしれぬ。
だが、それであっても投げ出すわけにはいかない。
世界の崩壊が今再び起こらぬためにも、我はこの平和の意志を後世まで伝えて行かねばならぬ。
忘れること無かれ。
世界の命運は我等"人"次第であることを。生きるも滅ぶも、我等次第だということを"
――――ザアァァッ。
パラパラパラ....パラ。
唐突に風が吹き、手にしていた本のページが凄い勢いで舞うように捲られた。
いつ開けたのやら、風の吹く先に目をやれば窓が大きく口を開けている。
「.....ったく、誰だよ。窓なんて開けたのは」
手の平に本を乗せ、その本を読んでいたジェイドは銀色の長髪を風になびかせながら言う。
「あ....俺です」
そんなジェイドの言葉に、少し離れた所で別の本を漁っていたカイムが、そろりと手を挙げる。
「.....お前か、カイム。
これじゃ本が読めねぇだろうが!ちょっと閉めろって」
「す....すみません」
ガラガラガラ―――ガチャンッ。
強風に本を読むのを邪魔されて若干不機嫌そうに言う声に、カイムは読みかけの本を置き急いで窓へと駆けて風吹き抜ける窓を閉めた。
"それから私は世界の隅々を捜させ、ついにもう一つの指輪<炎竜の指輪>をこの手に収めた。
水竜との契約。世界を守るという大役はやはり私には重いのかもしれぬ。
だが、それであっても投げ出すわけにはいかない。
世界の崩壊が今再び起こらぬためにも、我はこの平和の意志を後世まで伝えて行かねばならぬ。
忘れること無かれ。
世界の命運は我等"人"次第であることを。生きるも滅ぶも、我等次第だということを"
――――ザアァァッ。
パラパラパラ....パラ。
唐突に風が吹き、手にしていた本のページが凄い勢いで舞うように捲られた。
いつ開けたのやら、風の吹く先に目をやれば窓が大きく口を開けている。
「.....ったく、誰だよ。窓なんて開けたのは」
手の平に本を乗せ、その本を読んでいたジェイドは銀色の長髪を風になびかせながら言う。
「あ....俺です」
そんなジェイドの言葉に、少し離れた所で別の本を漁っていたカイムが、そろりと手を挙げる。
「.....お前か、カイム。
これじゃ本が読めねぇだろうが!ちょっと閉めろって」
「す....すみません」
ガラガラガラ―――ガチャンッ。
強風に本を読むのを邪魔されて若干不機嫌そうに言う声に、カイムは読みかけの本を置き急いで窓へと駆けて風吹き抜ける窓を閉めた。