mirage of story







「......そんなことを思い始めたら、どうにも気分が晴れなくてね。
今まで微塵も無かった罪悪感ってのが、一気に沸き上がってきやがった。

まっ、それで俺はその罪悪感から逃げるために部隊から逃げたと。
それで今は命狙われ追われてるっていう、こんな様なわけだな。


アイツ.....ライルにしてみりゃ、俺はとんでもねぇ裏切り者ってわけ」



「で、今やアイツにとって俺は憎い憎い敵さんなわけだ。
ハハッ。まったく、皮肉なもんだねぇ。

.......よいしょっと」




そこまで言うと、ジェイドは今まで掛けていたソファーからわざとらしい掛け声と共に腰を上げ立ち上がった。

立ち上がったその拍子に、長い銀髪がサラリと軽やかに舞う。










「..........本当を言うと、もうあんたには会わないつもりだった。此処へも来ないつもりだった。

俺と関われば関わる程、セシル.....あんたに迷惑掛けちまうからな。
あんたに何も言わないで姿を消したのも、そのためだったんだが」



「ジェイド――――」




「すまねぇな。でもどうしても気になることが出来てね。
結局あんたに頼っちまった。

迷惑だってことは分かってる。
でも俺に、ちょっと力を貸しちゃくれねぇかい?」





セシルに背を向けるように、部屋で唯一の窓の方に歩み寄って窓の外を見た。

窓の外には人間側の街が広がっており、この何処かに先程街へと出掛けていったはずのシエラとカイムが居る。
そんな見えない姿を思い浮かべながら、ジェイドは言葉を続けた。







 
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