mirage of story
〜2〜









(一体、ジス殿は何を考えて居られるのか)




四ヶ所程を杭で打って布を張っただけのような狭いテントの中。
寒々しい空気が布の隙間から入り込み、毛布を身から離さずには入られない。

布越しに差す光が、夜が明けたのだと伝える中でロキは一人、まだ眠りの中に居るシエラ達に目を向けてそんなことを思う。










(この少女達に、一体何が出来るというのか。

........我等が為すべきものは、そのような生半可なものではないはずだ。
それをこのような子供になど、ジス殿の真意は何なのだ)





何も感情を込めない瞳で静かに見つめ、思う。

睨むでもなく、凝視するわけでもない。
ただ、見ていた。





別にロキは自分の意志で感情を押し殺し、隠しているというわけではない。

自分には何か感情が欠落しているのだろう。
そうロキ自身は感じていた。






生まれつき自分には、感情が他人よりも極端に乏しいのか。
それとも生きていくその中で、次第に感情というものがすり減り消えてしまったのか。

まぁどちらであっても、そもそも感情への執着というものも持ち合わせていないので構わない。









 
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