mirage of story







指に当たる、水とは違う確かな感覚。
でこぼことした金属の感覚。


















ブワァアッ―――!

その感覚を意識で捉えた瞬間に、何かが舞い降りたように空から強い風が泉に注いだ。
瞬間、その場に存在した空気感が変わる。

空気が緊張している。
ピッと張り詰めたような感じが、一気に空間に走るのが分かった。

















........何かが、来る。

直感がシエラに告げる。


悪いものではない。
だけれど、その直感に胸の鼓動はバクバクと高揚し、汗が出る。

指輪を掴んだ瞬間に変わった空気感に、シエラはギュッと指輪を握る手に力を込める。


















何か、おかしい。

水の中を見ていたシエラは、指輪を掴んだまま顔を上げた。



腕を突っ込んでいる形なので、水面がもうすぐ目の前だ。

シエラがそのすぐ目の前に迫る水面を平行に見る。
そこまで顔を上げた所で、上から感じる何かに抑えられるように必然的に止まった。




















何?
その言葉すら、この空間の緊張に喉を通らない。

ただ、シエラは風に揺れる波紋が広がる水面を見つめる。



周りからは波が岸に辺り打ち消える小さな水の音以外、何も聞こえない。








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