mirage of story
続く沈黙の末に、ジェイドがいつも通りの軽い笑いを含んだ声。
視線は話し掛けるロキの方ではなく、何処か違う何処でもない虚空を見ている。
浮かべる笑いはいつもと同じ。
ヘラッと何も考えていないような笑いが浮かぶ。
だけれどそこにある空気は、カイムが居たつい先程までのものとは.....明らかに違っていた。
「...........ただの頭の軽い馬鹿だと思っていたが、そうではなかったか」
一変した空気感に、ロキは一瞬眉をピクリと動かした。
だがすぐに何かを察したように、若しくは諦めたように彼にしては珍しくフッと笑いらしくない笑いを零す。
「相変わらず、ひでぇことをそんな何の悪びれもなく.......。
あー、傷付くわぁ」
「本当のことだろう?
貴様はいつもそうやって笑って、わざと軽々しく見せようとしているのでないのか?」
「......っ」
淡々として言うロキに、ほんの少しジェイドの笑みが歪む。
だがそれはたった一瞬で、一瞬見せたその顔に覆い被さるようにすぐに笑みが戻る。
「やだねぇ、ロキちゃん。
見てねぇようで、ちゃんと見てんだから――――見なくてもいいとこを。
俺に冷たく無関心なようで、実は俺に興味ありまくりだったり?」
「興味はない。
ただ、気に入らないだけだ」
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