mirage of story
「.............得体の、素性の知れない者が組織に関われば、その組織はすぐに崩壊する。
そして私には、それを事前に防ぐ義務がある」
「ハハッ。素性ははっきりしてるじゃねぇか。
俺は身内であるはずの魔族から反逆者と言われ、命を狙われる落ちこぼれ。
そして尚且つ、今は世界を転々とする流れ者さ」
「それを素性が知れないというんだ。
つまり、だ。
貴様は我等の組織にとって害毒。摘まねばならぬ悪い芽。
そして、私にはその害が及ぶ前にそれを葬り去る義務がある。
..........いくら頭の柔らかい貴様でも、その言葉の意味が分かるだろう」
「葬り去るって。ロキちゃん、怖いことをまたサラリと。
冗談でも怖いけど、まぁ―――その顔は冗談を言う顔じゃあねぇよな」
互いの腹を探り合うようなそんな回りくどさは無かった。
ロキもジェイドも内ではもう既に互いの意を読み切っている。
その上でのこの会話。
これから起ころうとしていることに対して、準備のための微調整をしているようにも見えた。
「――――今、貴様には二つの選択肢がある。
一つは今この時、あの二人と別れて自らこの場を去ること。
そしてもう一つは、一つ目の選択肢を受け入れずに、強制的にこの場から消されることだ。
選んでもらおう。
あの二人が戻って来る前に片を付けたい」
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