mirage of story










「―――――ふぅ。
その様子じゃあ、何を言っても聞く気はねぇか。

.......仕方ねぇか」




何故か浮かぶ自嘲の笑み。

そして零れる、仕方ないという言葉。
それだけの言葉では到底意味を把握仕切れないが、その言葉の矛先のロキにははっきりとその意が伝わったようである。



























ギイィィンッ。

互いの意が伝わり合った瞬間、近くに在った二つの影は互いに飛び退き、激しい金属音が空間を裂いた。



パチパチと弾ける焚き火を挟み二つの影は、牽制し合うように向き合う。

間に燃える炎は、何が起こったのかも分からぬままに揺れ、火の粉を散らす。







彼等を取り巻く空気でさえ、一瞬何が起こったのか分からなかっただろう。


ジェイドの言葉が終わり僅かの沈黙の後のほんの一瞬。
その一瞬の間に、この空間に居る二人の間に走る空気が一変した。























「―――それなりの実力はあるようだな」


「不意打ちなんて質が悪いじゃないの、ロキちゃん」





飛び退いた二つの影。
その影は焚き火の炎を挟んで睨み合い、その手には鋭く研かれたギラリと光る刃の煌めき。



ジェイドは槍を、そしてロキは二本の短剣を。

一体どこに潜ませていたのか。
両者、いつの間にか手にした各々の武器を互いに向けてそこに立つ。









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