mirage of story










その二つがぶつかり合った金属音の余韻が、森の湿り気の多い空気を纏って広がる。



互いに見つめ合う視線。

笑いを含んだ紅い瞳と残酷に感情ない紫の瞳。
二つがぶつかって、間に揺れる焚き火の炎によって中和される。


















「不意打ち.....したはずだが、貴様はそれを完全に読んでいた。

逃げ出したとはいえ、さすがは元魔族どもの国の軍人。
腐ってもその力は健在ということか」



「――――むかつく言い方だが、褒め言葉として受け取っとくわ」







ギイィィンッ。
会話が終わると同時に再び響く金属音。

一瞬で二人は空中で刃を交え、それからまた飛び退いて影が二つに別れる。





ギンッ。
ギイィィンッ。

地に足を着けたかと思うと、再びすぐに激しく交わる。



その度に二人の間の火は揺らめき、そして木々の葉はざわめく。



空中に行ったり来たりする黒い影が忙しい。
空間にある暗さに溶け込み互いの姿が見えているかさえ定かではないが、二つの影は寸分違わずに交わる。

ジェイドとロキ。
両者が共に優れた戦闘能力を持っていることを物語っていた。















――――ギイィィンッ。







「おぉ....強いねぇっ!
なかなかやるじゃないの、ロキちゃん!」



刃を交える最中、ジェイドは戦いにそぐわない軽い笑みをロキに送る。









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