mirage of story








ギンッ。

それを無言で斬りで返すロキ。





このような戦いの場に馴れ合いは要らない。
そんなロキの意の表れか。

ロキはヘラッと笑い自分の攻撃を受けるばかりのジェイドに、何の容赦もなくただ黙々と斬りかかる。
その刃は、舞うようにジェイドを狙う。







槍と短剣。
その攻撃の範囲は明らかに槍の方が優勢。

だが状況は徐々にロキがジェイドを押していく形に変わる。



ロキは攻勢。
ジェイドは守勢。
端から見てもその境は大きく開いていき、完全に流れは攻勢のロキにあるように見えた。


















「おっと、危ねぇ!
ったく、ロキちゃん。あんたがここまで強いとは、思わなかったぜ」



「貴様ごときに負けはしない。
.......我等の行く手を阻む者は、誰であろうと容赦はしないっ!」






明らかなる劣勢。
なのに、どうしてジェイドには危機感というものがないのか。

どうしてこの状況で、ヘラヘラ笑っていられるのか。




恐れはないのか。
この、余裕は何なのか。






理解し難いジェイドの様子に、さすがのロキも苛々が募る。
ロキらしくなく、少し荒げた声で一層激しくジェイドに斬りかかる。

自分は明らかに優勢であるのに、ジェイドを前にどうしてこんな敗北感があるのか。
ロキはとてつもなく、気分が悪くなった。









.
< 863 / 1,238 >

この作品をシェア

pagetop