mirage of story
ギンッ。
それを無言で斬りで返すロキ。
このような戦いの場に馴れ合いは要らない。
そんなロキの意の表れか。
ロキはヘラッと笑い自分の攻撃を受けるばかりのジェイドに、何の容赦もなくただ黙々と斬りかかる。
その刃は、舞うようにジェイドを狙う。
槍と短剣。
その攻撃の範囲は明らかに槍の方が優勢。
だが状況は徐々にロキがジェイドを押していく形に変わる。
ロキは攻勢。
ジェイドは守勢。
端から見てもその境は大きく開いていき、完全に流れは攻勢のロキにあるように見えた。
「おっと、危ねぇ!
ったく、ロキちゃん。あんたがここまで強いとは、思わなかったぜ」
「貴様ごときに負けはしない。
.......我等の行く手を阻む者は、誰であろうと容赦はしないっ!」
明らかなる劣勢。
なのに、どうしてジェイドには危機感というものがないのか。
どうしてこの状況で、ヘラヘラ笑っていられるのか。
恐れはないのか。
この、余裕は何なのか。
理解し難いジェイドの様子に、さすがのロキも苛々が募る。
ロキらしくなく、少し荒げた声で一層激しくジェイドに斬りかかる。
自分は明らかに優勢であるのに、ジェイドを前にどうしてこんな敗北感があるのか。
ロキはとてつもなく、気分が悪くなった。
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