mirage of story
本当に何なんだ。
この、ジェイドという男は。
斬りかかったロキの短剣と受け止めるジェイドの長い槍が十字に交わった。
そして加わる力が、その接点を通じて互いに伝わる。
ッ。
そんな中、やはりジェイドは笑みを浮かべる。
その笑みに湧き上がる嫌な気持ちと嫌悪感。
ロキの戦いへの意識がほんの一瞬、本当に一瞬だけジェイドという男の存在へとブレた。
―――――ザッ。
その一瞬が、致命的だった。
加わっていた力の行く先がフッと消え、短剣を持った手が宙を斬る。
周りの空気がゆっくりと流れるような気がして、刃が宙を斬る虚しい音が波紋となって空間に広がる。
しまった。
ロキがその事態を理解して、気が付いた時には遅かった。
「............けど、悪いな。ロキちゃん。
俺は、それ以上に強ぇんだ」
声が、自分のすぐ後ろから聞こえた。
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