mirage of story
「.......自分で起きろ」
「あら、またいつもの冷たいロキちゃんに戻っちゃったな。
まぁ、いいか。おやすみー。
あ、寝込み襲うとかそういうのは無しだぜ?」
ンンッ。
わざと大きな動作で欠伸をして、それからジェイドは片隅に置いた荷物の中から布を引っ張り出してクルリとその中に包まる。
湿った地面の上。
なのに何にも気にもせず、ごろりとロキに背を向けて身体を横たえた。
本当に寝たのか、それとも寝たふりか。
どちらかは知らないが、それからはピクリとも動かなくなった。
そんなジェイドにさして興味もなく、ロキは冷たい空気の中でただ一点暖かさを灯す焚き火の炎を見つめる。
そして身体を傍らに在った木に任せ、空間に溶け込むように静かに目を閉じた。
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